競売のデメリット
競売では、一生、債務に追われることになります
競売のデメリットは、なんと言っても販売価格が20%前後も低いということです。さらに、引っ越し費用などの交渉が一切できないということです。また競売後にも残った債務の支払い義務は継続するため、自己破産でもしない限り一生この債務に追いかけられることになります。ただ、競売にもメリットはあります。ケースによっては落札までに2~3年と時間がかかる場合があり、この間はそのまま住んでいても立ち退きを求められないということがあります。しかし、これが「メリット」と言えるかどうか…。
競売を申し立てられると…
住宅ローンを3~6ヶ月以上滞納すると、住宅ローン保証会社が残債を銀行へ代位弁済(代弁済)であなたの代わりに一括返済することになります。そして、あなたの住宅ローンの債権は銀行から住宅ローン保証会社に移ります。その後、保証会社が裁判所に競売申し立ての手続きをします。
近所に知られ、不動産業者に悩まされます
競売を申し立てられた物件は、売買・譲渡・賃貸などを防ぐために裁判所によって公示(一般に公表されること)されます。裁判所から公表されると、早ければ数時間後に不動産業者があなたの自宅を訪ねてきます。こうなると隣近所には聞かれてしまう恐れも十分あり、この後は何十社という不動産業者が次から次へ訪ねてくるという状態に陥ります。不動産業者は「このまま何もしないでいると、競売が確定、最低入札価格が出されて競売にかかり、落札された1ヶ月後には立ち退き、裸同然で追い出されてしまいますよ。当社ならお力になれますよ」と言って、不動産専任媒介契約書などの書類を押しつけてきます。競売の申し立ての申請が出された途端に、このような人々がひっきりなしにやって来ます。
明け渡しにも費用が、かかります
いよいよ明け渡しの時には、執行官・立会人・鍵交換業者・引越し業者が断行に臨みますが、彼らは当然、得意技能を持った専門職の人たちですから料金も安くはありません。彼らの報酬額は、最低でも50~100万円くらいかかります。もちろん法的手続きを弁護士に依頼した場合には、別途に弁護士費用も必要になります。
それだけではありません!
競売は、これだけで終わりではありません。競売後も引き続き残った債務の支払いが継続されます。そして最悪の場合は自己破産ということになりますが、自己破産をしてしまうと「自分名義の携帯電話が買えない」、「何をするにも保証人を求められる」など自己破産後の生活は厳しいものになります。
残った債務でも苦しめられます
競売で売却されても自己破産をしない限り、住宅ローンは残ります。残った債務には支払い義務が継続されます。また、競売をしても自己破産をしても連帯保証人が付いている場合には、その連帯保証人に残った債務の請求がいくということも忘れないでください。最悪の場合、その連帯保証人が自己破産という結果になるケースも往々にしてあります。競売の後に、残った債務の支払いで苦しんでいる人もいます。
それでもあなたは競売を選びますか?